『くつやのねこ』~シュールでアーティスティックな魅力にドキドキ~

 

こんにちは。tarumiです。

 

 

最近、子育てもひと段落したことから

よく図書館に行ったり、

絵本を読み返すという話を

職場でしていた時の事。

 

 

これ知ってる?オススメよ!と

上司(女性)が教えてくれたのが

今回ご紹介する

『くつやのねこ』です。

 

上司いわく、

オシャレなだけでなく、

仕事をする上で

「なるほど!勉強になるわー」

と思うところもあるとのこと。

 

 

とってもオシャレなキャリアウーマンの

イチ押し絵本ということで、

わたしも興味深々。

 

 

それでは、

『くつやのねこ』をご紹介します。

 

*ブログを始めるきっかけとなったプロフィールはコチラです。

自己紹介 tarumi

 

 

作品情報(対象年齢・作者・イラスト・発行など)

 

対象年齢:4歳くらいから~

作:いまいあやの

出版社:BL出版

発行:2010年5月

 

 

 

あらすじ

 

 

あるところに、

貧しい靴屋がねこと一緒に暮らしていました。

 

靴屋はとても腕のいい職人でしたが、

店にお客はさっぱり来ません。

 

「もう店を閉めるしかないね。

これからどうやって生きていけば・・・」

 

途方に暮れる靴屋に、ねこは言いました。

 

「良い考えがあります。

わたしに一番良い革で

長靴を作ってください。

それを履いて注文をもらってきますよ。」

 

そう言うと、ねこは出かけて行きました。

 

町はずれの森の奥にひっそりとある、

人を食べてしまう魔物の住む大きな城へ。

 

ねこは

どんな姿にも変身できるという噂の魔物に

『ふさわしい靴』を作ることをすすめます。

 

 

 

 

みどころと魅力

 

若手絵本作家による名作の新アレンジ

 

名作『長靴をはいた猫』を、

若手絵本作家・いまいあやのさんが

新しくアレンジした本作品。

 

古き良きものが

新しい時代の感性でアレンジされている

絶妙な魅力を湛えた作品は、

2009年に開催されたイタリアの

ボローニャ絵本原画展でも

ひときわ人気の高かったとのこと。

 

 

 

 

隅々までじっくり楽しめる絵本

 

わたしが絵本で一番初めに心惹かれたのは、

アンニュイな猫の表情と、

猫の寄りかかっている大きな靴は一体・・・?

と、本の中身を想像させるような表紙でした。

 

 

絵本を開けば、

色鉛筆で描いたような

淡い色づかいと、絵の繊細さ、

素敵な靴や小物の数々に、

これまたキュンキュンしっぱなし(笑)

 

色や形が様々な靴を

あれがいい、これがステキと

好みの物を探すのも楽しいです。

 

 

魔物と猫の大きさの対比とか、

 

虫眼鏡を使ったおしゃれな見せ方とか。

 

魔物の靴を作るご主人の使っているハサミが

めちゃくちゃ大きいことで、

ここでも魔物の大きさがどのくらいか

想像してドキドキしたり。

 

いろいろな見せ方で

読む側を飽きさせません。

 

 

猫と並んだ時に足しか見えない魔物に、

「どのくらい大きいんだろうね?」

と、小さいお子さんと一緒に想像しながら

読んでも楽しめると思います。

 

絵の構図や表現が

細部までとても凝っていて、

ページをめくるたびワクワクします。

 

隅々まで時間をかけて、

じっくり読みたくなる絵本です。

 

 

 

 

猫の想いと勇気に感動!

 

『長靴をはいた猫』の

アレンジ作品ということですが、

内容はオリジナリティに溢れていて、

個人的にはこちらの方が好きです。

 

 

猫は

腕はいいのに、

もう店を閉めるしかないと

肩を落としているご主人のために、

 

貧しくても、テーブルで同じ魚の缶詰を

ご飯として分け合ってくれる

優しいご主人のために

 

あきらめないで!と励まし、

ご主人のために仕事をもらいに

恐ろしい噂のある魔物のところに行きます。

 

主人公の猫が、

靴職人のご主人が大好きだという事が

手に取るようにわかります。

 

 

猫は、

森の奥に住んでる魔物なら

ご主人の靴を買ってくれるかもしれない。

大きなお城に住んでるくらいだし、

お金をたくさんもってるかも

と考えたのでしょう。

 

いろんな物に変身できる魔物のために、

大きいのや小さいの、

それぞれの靴をご主人に作ってもらっては

魔物のところに届けたのに、

ケチな魔物はお金を払ってくれない。

 

 

それなら、作戦変更!とばかりに、

 

小さな小さな特別な靴を

ご主人に作ってもらい、。

さすがにこれが入るサイズの生き物には

変身できないでしょう?

と魔物を挑発します。

 

そして

魔物がネズミに変身したところを。。。

 

 

知恵を使った猫の機転で、

靴屋のご主人は新しい店を手に入れ、

店はお客で溢れかえりハッピーエンド。

クライマックスは

かわいかった猫の

“野生”

の部分が垣間見える瞬間。

 

血の付いたお皿と散らかったテーブルの上。

こんな表現方法で見せるのか、と

そのシュールさにドキッとさせられました。

 

もしかしたら、小さい子には

ショッキングなシーンかもしれませんが、

悪者(=魔物)をやっつけるヒーロー(=猫)、

賢い猫がご主人のピンチを救うこの絵本は

子どもも楽しめると思います。

 

 

 

最後、

靴屋は魔物のいなくなった城に移り住み、

新しい靴屋を開きます。

 

そこに並ぶ大小さまざまな靴に隠された、

これまでの猫と魔物のやりとりと、

それを何も知らない村人たちの

平和な様子とのギャップが、

いいコントラストになっていて

物語の魅力を増しています。

 

 

猫の、

それまでの緊張感溢れる姿とは真逆の、

満足そうに

のんびり横たわる寝顔のギャップも、

緩急があって、

最後までいい味出しています。

 

 

 

そして何気に私が一番気になっていること。

 

最後のページと裏表紙に、

何やらネズミの姿が見えるような。。。

 

あれ?

もしかして魔物はまだ生きてるの?

さてさて、真相やいかに。

 

 

おわりに:子育てを振り返りつつ思うこと

いかがでしたでしょうか?

 

わたしが本当に感心したのは、

猫がほんとうに賢くて、

すごい勇気の持ち主だというところです。

 

体の大きさではかなわない相手だとしても、

頭をフル回転させ、

知恵を使って対峙することで、

相手と対等に、

うまくいけば優位に立てることを

教えてくれます。

 

何より、自分より強くて大きい魔物と

勇気を振り絞って対峙する勇気に

感動しました。

 

その感動の背景にはきっと、

ウチの息子が幼少期、

体が小さかったことが

少なからず関係しているように思います。

 

姉にも、姉の友達の男の子にも

「ちび太」

と呼ばれていました。

 

舎弟のごとく扱われることもしばしば。。。

 

そんな時、息子もこの物語の猫のように、

体の大きい相手に知恵を使って対抗!

 

・・・したりせず、

舎弟業にいそしんでました(ガックリ)

 

まあ、平和主義ってことで、

それも良し、ですかね(笑)

 

 

でも、息子の幼少期に

この絵本に出会えていたら、

息子ならどうしたのか。

聞いてみたかったなあと思うし、

読み聞かせした時に何を感じたのか、

感想も聞きたかったです。

 

 

猫の言葉の巧みさと賢さには

感心させられるとともに、

 

きっとかなわないと思うような

強かったり大きかったりする相手でも、

最初からあきらめない、

ということと、

 

目的を達成するために必要なことは

 

入念な計画と根気の良さ、

そしてどんな状況にも動じず、

臨機応変に、かつ柔軟に対応すること。

 

実際、私たちが仕事や日常生活を営む上で

大切なことを

絵本の中のご主人想いの猫に

たくさんのことを教わった気がします。

 

いやはや、ほんとに勉強になりました(笑)

 

 

絵もオシャレだし、

息もつかせぬ話の展開で

あっという間に一気に読めるし、

いろんな教えも盛り込まれていて

ほのかな余韻にもひたれる、

そんな大人も楽しめる一冊でした。

 

薦めてくれた上司にも感謝です!

早速溢れる思いの丈を伝えたいと思います(笑)