『いもうとのにゅういん』~繊細な心に寄り添って描かれた小さな姉妹の物語~

こんにちは。tarumiです。

 

突然ですが、私は雷が苦手です。

 

娘も息子も、

稲光とあの体の芯に響くような音で

テンションがあがるそうですが。

 

全く共感できません・・・

 

以前は娘や息子が家にいたので、

何となくやり過ごせていましたが、

一人で家にいることが多い今は、

雷が鳴るとそりゃもう大騒ぎです。

 

花火は大好きなのに、何で?と

よく言われますが、

似て非なり、なのです。

 

そういえば、なぜ苦手になったのか?

 

と記憶を巡らせていたら、見つけました!

 

なんとその答えは絵本の中に。

 

 

それが今回ご紹介する、

 

『いもうとのにゅういん』

 

です。

 

以前ご紹介した、

『あさえとちいさいいもうと』

の続編である今作。

 

妹の突然の入院を通して、

またひとつ成長を遂げる姉のあさえ。

少し大きくなったかわいい姉妹の物語です。

 

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『いもうとのにゅういん』

 

作品情報(対象年齢、作者、イラスト、発行など)

 

作:筒井頼子

絵:林 明子

出版社:福音館書店

発行年:1983年2月

対象年齢:(読み聞かせなら)3歳~

(自分で読むなら)小学校低学年~

 

 

あらすじ

 

あさえが幼稚園から帰ってくると、

お母さんがぐったりした妹のあやを

病院に連れていくところでした。

 

友達と遊びながら待っていると、

帰って来たお母さんが、

あやが入院することになったと言います。

 

あさえは、お父さんが帰ってくるまで、

一人でお留守番をすることに。

 

そのうち、暗くなり、雷が鳴って・・・

 

 

妹の入院で、またちょっぴり

お姉さんになったあさえの物語です。

 

 

みどころと魅力

 

 

以前ご紹介した【あさえといもうと】の

続編になる今作。

 

少し大きくなった二人は、

近所の子が大きくなった時のような

何とも言えない親近感を覚えます。

 

そして今回も、いましたいました!

 

他の絵本の登場人物が、さりげなく

描かれています。

 

『はじめてのおつかい』の

みいちゃん達も発見!

何とここでも

牛乳を買っています(笑)

 

そんな小ネタがそこここに

散りばめられているのを、

お子さんとじっくり探してみるのも

楽しいし、発見できると盛り上がりますよ^^

 

今まで何回か書かせていただきましたが、

筒井頼子さんと林明子さんの描く

小さい女の子は本当にかわいくて

愛おしいんです。

 

この『いもうとのにゅういん』でも、

あさえの繊細な心の動きに寄り添った

優しい言葉が散りばめられた文章と、

その文章で語られていない心の動きを

補足するかのような、表情や目線、

仕草にたくさんの思いが溢れていて、

読み手にいろんな感情を与えてくれます。

 

今回のお話では、

妹が急に入院することになります。

 

慌ただしく準備をする母親の傍に

ピタッと寄り添ってみたり、

父親が帰るまで待ってと、

帰ろうとする友達を必死で引きとめている

あさえの表情から、心細い様子が

ひしひしと伝わります。

 

雷が鳴り、布団に潜り込むあさえ。

ほっぺこちゃんを抱きしめ、

励ますように声をかけながら、

実は自分を励ましている。

 

押しつぶされそうな不安に負けないよう

がんばっている姿に、

こちらも手に力が入ってしまいます。

 

部屋が明るくなって

父親が目の前に現れた時、

きっと心底ホッとしたことでしょう。

 

まるで自分が体験しているような臨場感。

 

いつの間にか物語に

どっぷり引き込まれている自分に驚かされます。

 

お見舞いに行って妹にあげたのは

早く元気になってほしいと祈りを込めて

折ったたくさんの折り紙と手紙。

そして大切にしていたほっぺこちゃん。

 

〈妹に早く元気になってもらいたい〉

 

という願いが、静かに深く伝わってきて、

その純粋な思いにジーンとしました。

 

弾けんばかりの、本当に嬉しそうな

妹の笑顔。

 

お母さんに褒められて、くすぐったそうに

はにかむあさえの表情に、

胸がほわっと温かくなります。

 

またひとつ、

あさえは心の成長を遂げました。

 

そんな優しい姉をお手本に、

妹のあやも大きくなっていくのでしょうね。

 

2人のこれからをもっと見たくなる、

優しい気持ちをくれる素敵な絵本です。

 

 

 

感想:幼少期を振り返って

 

 

この絵本は、まさにわたしの幼少期の

記憶に重なる所が多く、印象深いお話です。

 

私には2つ下の妹がいます。

 

妹とは一緒に遊んだり喧嘩したり。

 

妹の面倒を見るように言われると、

一人っ子が良かったと思う事すらありました。

 

その妹が、原因不明の高熱が続いて

入院することになり、

母は毎日付き添いで

病院で寝泊まりする日々が続きました。

 

小学生だった私は、

父が仕事から帰ってくるまでは

家に一人ぼっちでお留守番の日々。

 

妹も母もいない家は妙に静かで、

心細かったことを今でもよく覚えています。

 

ある日の夕方。

稲妻が走り、雷が激しく鳴って

雨が降り出しました。

 

今までは稲妻が光っても

「きれい」とはしゃいでいたのに、

一人だと、家に落ちたらどうしよう・・・と

怖くて怖くて。

ありったけの人形と

ぬいぐるみをベッドに引きずり込み、

頭から布団をかぶって

耳をふさいでいました。

 

父親が帰ってきた時、

心底ホッとして泣きそうになりました。

父に見られたら恥ずかしいので

グッと我慢しましたが(笑)

 

今思えば、雷が苦手になってしまったのは

きっとあれからなんでしょうね。

 

妹はひと月以上入院しましたが、

すっかり元気になって戻ってきました。

 

母親いわく、私が妹を気遣って

優しくしていたのは一瞬。

しばらくするとまた喧嘩したりして、

元通りだったようですが。

 

あさえの凄さを再確認しますよね(笑)

 

それでも、その後私が

一人っ子が良かったのにと思うことは

ありませんでした。

 

 

 

おわりに

 

 

私の妹の入院は小学校の頃でした。

 

記憶は断片的で、

はっきりとは覚えていません。

実際、この絵本を読むまで

忘れていたくらいです。

 

でも“雷=怖い”という感覚は

しっかり残っているから不思議。

 

自分の幼い時のクセや、ちょっとした記憶を

思い出すきっかけをくれるから

大人になってから読む絵本も面白いなぁ、と

感慨深く、改めて思った

夏の夜でした。