~美しい描写に心癒やされ、細部に散りばめられた遊び心もまた楽しい~『旅の絵本』

こんにちは。tarumiです。

 

楽しくも慌ただしかった子育てが終わり、

やっと優雅にのんびりお茶でも、と

思っていましたが、

“働かざる者食うべからず”。

やっぱり仕事や家事に追われる毎日です。

 

そんな時、ふっと読み返したくなる本が

あります。

 

それが、今回ご紹介する

 

『旅の絵本』

 

です。

 

まるで自分が旅人になって

ゆっくり歩いて見ているような、

豊かで、穏やかな時間をくれる

本格絵画のような絵本です。

 

今回は特に大人の方にオススメの絵本です。

 

 

*ブログを始めるきっかけ等プロフィールは
↓コチラにて♪

自己紹介 tarumi

 

『旅の絵本~中部ヨーロッパ編』

 

 

 

作品情報(対象年齢、作者、イラスト、発行など)

 

絵:安野光雅

発行所:福音館書店

発行年:1977年4月

対象年齢:(読み聞かせなら)5、6歳~

(自分で読むなら)小学校低学年~

 

☆『旅の絵本』はシリーズとして
2018年現在、9巻発表されています。

 

 

あらすじ

 

 

旅の風景を描いた、字のない絵本です。

 

船で岸にたどり着いた旅人は、

馬を買い、丘を越えて

村から町へと向かいます。

 

 

みどころと魅力

 

 

画家としても有名な安野光雅氏。

 

中部ヨーロッパの自然な街並みを背景に、

繊細な筆使いで、旅の楽しさを描き出した、

絵だけで構成された絵本。

 

近代ヨーロッパの町並みと日常の風景が

こと細かに美しく描かれています。

 

 

よ~く見ると、誰もがよく知っている

お話の世界も登場しています。

 

世界各国の子どもたちのみならず、

大人が心奪われ、大人に絶大な支持を受ける

心躍る絵本です。

 

 

感想

 

 

舟で岸につけようとしている旅人を、

出迎えるように鹿が一頭見つめています。

 

上陸した旅人は馬を買い、

村から町へと歩を進めます。

 

 

この絵本には、文章がありません。

 

 

その分、ゆったり、じっくり眺めていると、

不思議と心が穏やかになっていきます。

 

細かく描かれた草原の草の一本一本から

優しく吹く風や、草のにおいまで

感じさせてくれます。

 

村から町へ。

ページをめくるたびに、

それぞれの人々の営みが垣間見え、

いろんな想像が膨らみます。

 

 

子どもも大人もみんな、

とても活き活きと描かれていて、

時間も忘れて見入ってしまいます。

 

村で開催されているらしきマラソン大会で

盛り上がる人々の楽しそうな様子に、

こちらもワクワクします。

 

 

のどかな村を抜け栄えた町に入ると、

姿を現す大きな建物。

レンガも屋根も丁寧かつ繊細なタッチで、

溜息がもれます。

 

たくさんの商品が並んだ市場や、

サーカスの大きなテントの周りには人だかり。

仮装パレードは音楽や、

賑やかな声も聞こえてきそう。

 

どの人も今にも動きだしそうな躍動感は

圧巻の一言です。

 

 

 

そしてページを繰るごとに、

あれ?あれれ?

隠されたモチーフに気づきます。

 

『おおきなかぶ』の登場人物や、

『ブレーメンの音楽隊』『赤ずきん』、

さらにミレーの『落穂ひろい』まで!

 

挙句、ベートーベンが窓から顔を出して

いるのを見つけた時には吹きだしました。

 

細部に遊び心が散りばめられていて、

何度本を開いても、

その都度新しい発見があります。

 

読み終えた後、長い旅を終えたような、

何とも言えない充足感で

胸の奥が温かくなる感覚をおぼえます。

 

またすぐページを開きたくなる

不思議な魅力に溢れた、

大人も虜にする素敵な絵本です。

 

 

おわりに

 

 

目まぐるしく変わる世の中の情勢や、

日々の生活の速度に、何だか疲れた~(泣)と

ため息をついてしまう日もありますよね。

 

そんな時、そっとこの絵本を開いて、

穏やかな時間の流れに

身を委ねていただけたら、と思います。

 

文字がない分、いろんな想像を掻き立てられ、

子どもももちろん楽しめますが、

本を閉じた後、

心にすーっと爽やかな風が駆け抜けるような

大人もそっと癒され、元気をもらえる

心に優しい絵本です。